シドニーで留学生活を送るなら、住むエリアによって毎日の通学や買い物、夜の帰り道の感じ方が大きく変わります。とはいえ、「どの地域がいいのか」「治安は大丈夫か」「家賃とのバランスはどう取るのか」と、何を基準に選べばいいのか迷ってしまう人は少なくありません。
この記事では、エリアを決めるときに役立つ3つの軸(通学・治安・生活環境)と、住まいの形態(ホームステイ・学生寮・シェアハウス)との組み合わせ方、初めての留学で失敗しにくい進め方を整理します。地域ごとの評価は時期や物件によって変わるため、断定はせず、最新情報を自分で確認する方法もあわせてお伝えします。筆者はオーストラリア留学のサポート事業を運営しており、シドニーでの留学・滞在経験をもとに書いています。
まず決めたいのは「住まいの形態」と「通学先」
エリア選びは、いきなり地図を眺めて決めるよりも、住まいの形態と通学先から逆算すると決めやすくなります。
ここで出てくる言葉を簡単に説明しておきます。
- ホームステイ: 現地の家庭に部屋を借りて、家族の一員のように暮らす形です。食事がつくことが多いとされています。
- 学生寮: 学生向けに用意された住まいです。学校や民間の事業者が運営していることがあります。
- シェアハウス: 複数人で一つの家をシェアして住む賃貸です。部屋は個室のこともあれば相部屋のこともあります。
住まいの形態によって、エリアの選び方が変わる
ホームステイでは、住む場所は受け入れ家庭のエリアで決まります。自分でエリアを選べる余地は小さいため、「どこに住むか」より「どんな家庭か」を気にする方が多いかもしれません。一方、シェアハウスや学生寮では、自分でエリアを選べる分、通学や生活の条件で比べることができます。
通学先が決まってから、エリアを絞る理由
学校がどこにあるかによって、毎日の移動時間は大きく変わります。また、午前中から通う授業なのか、午後からなのかによっても、朝の混み具合や帰りの時間帯が違ってきます。先に通学先を決めておくと、「ここからなら通いやすい」という範囲が見えるので、エリアを絞りやすくなります。
エリア選びの3つの軸|通学・治安・生活環境
エリアを比べるときは、次の3つの軸で考えると整理しやすくなります。どれか1つだけで決めるのではなく、自分にとって何が一番大事かを考えてみてください。

軸1: 通学時間と電車・バスの本数
通学時間は、片道だけでなく往復で毎日かかるものです。たとえば片道30分でも、往復で1時間になります。週5日通うと、それだけで週に5時間の移動になります。
公共交通機関については、次のような注意点がよく語られています。
- 電車は遅れることがあります。「電車はよく遅れる」と感じた人もいるので、余裕をもって出発するのが安心です。
- バスは混んでいると、停留所で人が乗れずに通過されることもあると言われています。朝の通学に使うなら、バスの本数や混雑時間も確認しておきましょう。
- 交通機関の運行状況や料金の仕組みは変わることがあるため、最新情報は交通局の公式サイト(Transport for NSW)で確認してください。
軸2: 治安は「地域名」だけでは決まらない
治安は、地域名だけで「安全」「危険」と決めつけられるものではありません。同じ地域でも、夜の時間帯、人通りの少ない道、駅の周辺の状況によって、体感はかなり変わります。
治安の情報を調べるときは、次のような公的な情報を確認するのがおすすめです。
- ニューサウスウェールズ州警察(NSW Police Force)が公開している情報
- オーストラリア政府の渡航情報(Smartraveller)
- ニューサウスウェールズ州の犯罪統計を扱う公的機関「BOCSAR」の公開データ(地域別の犯罪件数などを確認できます)
ただし、これらの情報も時期によって更新されます。ネットの口コミだけで判断せず、「公式の情報で確認する」「現地で昼と夜の両方を歩いてみる」の2つを組み合わせるのが安心です。
軸3: 生活のしやすさ(買い物・食事・日本食)
毎日の買い物や食事が苦にならないかも、大切な判断材料です。近くにスーパーがあるか、日本食の店やアジア系の食材店があるか、市場などで食材を手に入れやすいかなどを確認しておきましょう。
ある人は、アジア系のコミュニティや日本食のレストランが充実した地域に住んだことで、生活に慣れるのが思ったより楽だったと話しています。食事の不安が大きい人にとって、生活環境は立派な判断材料になります。
シドニーの地域の特徴をざっくり比べる
ここからは、シドニーの地域の特徴を一般的な傾向として整理します。地域の評価は、人・時期・物件によって変わります。以下は「こういう傾向があると言われている」という目安として読み、必ず最新の情報を確認してください。
ノースショア・ノースシドニー周辺
落ち着いた住宅街が多いという印象を持たれることが多いエリアです。家賃は高めの傾向があると言われています(要確認)。
インナーウェスト周辺
学生が多く住むエリアがある一方で、地域によって治安の印象に差があるとされています(要確認)。物件を見に行く際は、同じ地域の中でも通りごとの雰囲気を確認するとよいでしょう。
サザンシドニー周辺
シティ(中心部)まで電車で行きやすい地域がある一方、住宅のタイプや周辺の雰囲気は地域によって大きく異なると言われています(要確認)。
シティ中心部・キングスクロス周辺
駅や店が近く、利便性は高い傾向があります。一方で、夜間の治安に注意が必要と言われている場所もあるため、夜に一人で移動する場合は特に気をつけましょう。夜のトラブルへの備えについては、トラブル対応ガイドも参考にしてください。
当ブログではまだ地域別の一次体験を十分に蓄積できていません。そのため、この記事では地域ごとの細かな評価ではなく、一般的な傾向の整理にとどめています。

家賃とエリアのバランスをどう考えるか
家賃は、部屋のタイプ(個室か相部屋か)、地域、時期によって大きく変わります。ここでは金額を示すことは控え、「どう比べればいいか」の考え方をお伝えします。
公開されている情報の中には、シェアハウスの家賃について「週あたり数百ドルの幅がある」と書かれているものもあります。ただし、古い情報が混ざっていることもあるため、必ず不動産の情報サイトや物件の掲載情報で、今の相場を確認してください(要確認)。
家賃が安い地域の注意点
家賃が安いエリアは、通学時間が長くなったり、夜の移動が増えたりするなど、どこかにトレードオフ(何かを選ぶと別の何かを手放すこと)が生まれやすいものです。家賃の数字だけで比べると、後から「通うのが大変」「夜の帰り道が不安」と感じることがあります。
通学時間も「費用の一部」として考える
家賃とあわせて、交通費と移動時間も考えてみてください。毎日の移動が長いと、交通費だけでなく、勉強や休息に使える時間が減ってしまいます。家賃の差額と、移動に使う時間・交通費を並べて比べると、自分にとってのバランスが見えやすくなります。
【体験談】エリア選びで感じたこと
ここでは、当ブログの体験談をもとに、エリア選びに関係する話を紹介します。地域名や個人が特定される情報は伏せています。
地域よりも「誰と住むか」が生活の質を左右した話
ある選手は、シェアハウスでは誰と住むか(ルームメイトとの相性)が、生活の質を大きく左右すると感じたそうです。物価は高めでも、生活の水準自体は日本とそれほど変わらないと感じた一方、はっきりした目的がないと、のんびりした環境に流されて中だるみしてしまう危険もあると振り返っています。
エリアを決める前に、一緒に住む人との相性や共同生活のルールを、事前にできる範囲で確認しておくことが大切だと思います。
アジア系の店や日本食店が多い地域で、適応しやすかった話
別の選手は、アジア系のコミュニティや日本食のレストランが充実した地域に住んでいたため、思っていたより生活に慣れやすかったと話しています。新しい環境で一番ストレスになりやすい食事や買い物が、身近にあるかどうか。これは、エリアを比べるときに見逃しやすいポイントです。
夜の一人歩きで警察官に声をかけられた話
治安があまり良くないと言われる地域を、夜中に一人で歩いていたことがある人もいます。そのときは警察官に声をかけられ、危ないからとパトカーで家まで送ってもらったそうです。
この経験から得られた教訓は、知らない土地の夜道を一人で歩くのは避けた方がいい、ということです。夜の移動は、タクシーや配車サービスを使う、人通りの多い道を選ぶなど、事前に手段を決めておくと安心です。
エリア選びの順番と避けたい失敗|最初の数か月は住まいを「仮」にする
エリア選びでよくある失敗は、到着前にすべてを決めようとして、実際の生活とのズレが出てしまうことです。おすすめの順番は、留学初期はホームステイや学生寮で土地勘をつけ、慣れてからエリアを決めることです。
初日から1週間でやってみたいこと
- 通学ルートを実際に歩いてみる(所要時間を実測する)
- 昼と夜の両方で、同じ道を歩いてみる
- 平日の朝と夕方の、電車やバスの混み具合を見てみる
最初の1週間で「ここなら通える」「夜は避けたい道がある」といった感覚が、少しずつ見えてきます。
シェアハウスに移るタイミングの目安
通学ルートや生活圏、予算の目安が見えてきた段階が、シェアハウスなどへの引っ越しを考えるタイミングの目安です。引っ越しの前には、契約期間や、ボンド(敷金)と呼ばれる預け金の扱いを必ず確認しましょう。ボンドは退去時に返ってくるものとされていますが、条件は物件によって異なります。詳しい探し方や注意点は、シドニーのシェアハウス探しで失敗しない|内見・契約・ボンドの注意点で解説しています。
避けたい失敗

次のような失敗は、よく聞かれるものです。
- 通学時間を甘く見て、毎日の移動で疲れてしまう: 往復の時間と、雨の日や遅延のことも考えて余裕を見ておきましょう。
- 家賃だけで決めて、夜の帰り道が不安になる: 家賃が安くても、夜に歩くのが不安な道だと、生活のストレスになります。
- 内見を急かされて、判断を誤る: 内見の前に送金を求められた場合は、応じないようにしてください。支払いの前に、物件や相手が本当に実在するかを確認することが大切です。
英語で大家・ルームメイトと話す場面に備える
内見や契約の話は英語で行うことも多く、聞き取りや確認に不安を感じる人も少なくありません。英語で話す場面に備えるには、渡航前からオンライン英会話で慣れておく方法もあります。
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よくある質問
Q. 治安が心配なら、一番安全なエリアはどこですか?
A. 一概には言えません。治安は時期・時間・道によって変わるため、ニューサウスウェールズ州警察の公開情報やオーストラリア政府の渡航情報など、公的な情報で確認することをおすすめします。そのうえで、現地で昼と夜の両方を歩いてみると、自分に合うかどうかが分かりやすくなります。
Q. 最初からシェアハウスに住むのは不安ですか?
A. 一般論として、留学初期はホームステイや学生寮のほうが慣れやすいと言われることがあります。ただし、人によって向き不向きがあるため、自分の性格や英語力、目的に合わせて選ぶのがよいでしょう。
Q. エリアは留学中に変えられますか?
A. 引っ越しは可能です。ただし、契約期間やボンド、解約の条件によっては費用がかかることがあるため、契約前に必ず確認しましょう。
まとめ
- エリアは「通学」「治安」「生活環境」の3軸で比べると整理しやすい
- 住まいの形態と通学先を先に決めると、候補のエリアを絞りやすい
- 地域の評価は時期や物件で変わるため、公的な情報と最新の物件情報で確認する
- 留学初期は住まいを仮にして土地勘をつけ、慣れてから決めるのが安心
エリア選びに迷ったら、まずは住まいの形態と通学先を決めることから始めてみてください。

