オーストラリア留学の自己PR|ES・面接で伝わる書き方

就活生と面接官が笑顔で話している面接の様子 帰国後・進路

「留学中に頑張ったことはたくさんあるのに、自己PRを書こうとすると『楽しかったです』『成長できました』としか書けない」「面接で留学の話をしても、なんだか薄っぺらく聞こえてしまう気がする」——オーストラリア留学やワーキングホリデー(ワーホリ。一定期間、旅行や休暇を楽しみながら働くことも認められる制度)から帰国し、これから就職活動・転職活動に臨む方の中には、こうしたもどかしさを感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、オーストラリア留学の経験が就活で本当に評価されるのかという疑問から、自己PR・エントリーシート(ES。応募書類の一種)でやりがちなNGパターン、伝わる自己PRに変える3つのコツ、面接でよく聞かれる質問への答え方まで、「書類・面接でどう言語化するか」という実務的な視点で整理します。シドニー留学経験者のリアルな体験談もあわせて紹介します。運営者はオーストラリア留学のサポート事業を運営しており、シドニーでの留学・滞在経験があります。

なお、「留学経験は帰国後のキャリア全体にどう影響するか」という進路選び・キャリア観の視点については、シドニー留学の帰国後キャリア|就活で評価される?体験談で解説で詳しく扱っています。この記事は「すでに就活・転職活動を控えている方」に向けて、書類や面接でどう言葉にするかという一段実務的な部分に絞ってお伝えします。

※記事内で紹介する企業側の意識調査・評価の傾向は、時期や対象によって差があります。「〜と言われています」「〜という調査結果もある」という形で、断定を避けた表現にしています。

留学は「空白期間」と見られる?企業アンケートに見る評価

自己分析をイメージしたブロックと虫眼鏡

「留学=キャリアの空白期間」と見られがちな理由

留学やワーホリで一定期間日本を離れると、その期間の学業成績や職歴が「空白」に見えてしまい、採用担当者から「その間、何をしていたのか」を厳しく問われるのではないかと不安に感じる方は少なくありません。特に新卒の就活では、休学・留年をともなう留学が「就活が遅れた理由」として見られてしまうのではないかという心配の声もよく聞かれます。

こうした不安の背景には、「留学=旅行や息抜きの延長」という一部の思い込みや、「留学の中身を具体的に語れない応募者が実際に一定数いる」という現実もあるようです。裏を返せば、留学中に何をしていたかを具体的に言葉にできれば、この「空白期間」という印象そのものを払拭できる、ということでもあります。

実際のところどうなのか?企業アンケートに見る留学経験への評価

では実際、企業側は留学経験をどう見ているのでしょうか。文部科学省の官民協働海外留学促進プログラム「トビタテ!留学JAPAN」が企業の採用担当者を対象に実施した「就職活動と留学に関する意識調査」では、留学経験のある学生の採用割合が増えた、または今後積極的に採用していきたいと回答した企業が合わせて6割超にのぼった、と言われています。

一方で、この調査結果はあくまである時点・国内大学からの留学を主な対象とした調査であり、業界・企業規模・採用時期によって評価のされ方には幅があると考えられます。前述の帰国後キャリアの記事でも紹介したとおり、実際の留学経験者の声を聞くと「大手企業では留学経験があまり評価されなかったが、中小・零細企業では面白がってもらえた」というケースもあり、「留学経験があれば自動的に有利になる」というよりは、「相性の良い企業に出会えるかどうか」「留学経験をどう言語化できるか」によって結果が左右される、と捉えておくのが実態に近いようです。

自己PR・エントリーシートでやりがちな3つのNGパターン

伝わる自己PRを書く前に、まずはやってしまいがちなNGパターンを確認しておきましょう。

「楽しかった」「成長できた」で終わる感想文型

もっとも多いのが、留学の思い出を時系列でなぞりながら、最後に「楽しかったです」「大きく成長できました」で締めくくってしまうパターンです。読み手からすると、「何があったのか」「なぜ成長したと言えるのか」の根拠が見えず、旅行の感想文のように受け取られてしまいがちです。留学中の出来事そのものよりも、「そこで何を考え、どう行動したか」を書くことが自己PRでは求められます。

誰にでも言える抽象的なエピソード

「留学を通じてコミュニケーション能力が向上しました」「積極性が身につきました」といった表現も、それ単体では説得力に欠けます。こうした言葉は、留学経験がなくても書けてしまう抽象的な表現だからです。「なぜそう言えるのか」を裏付ける具体的な出来事とセットで語らなければ、採用担当者の記憶には残りにくいでしょう。

留学の内容(費用・期間・都市)の説明で文字数を使いすぎる

留学先の都市や期間、費用、学校名など、留学の「概要説明」に文字数を使いすぎてしまうのもよくある失敗です。エントリーシートの文字数は限られていることが多く、概要説明に半分近くを使ってしまうと、肝心の「何を経験し、何を学んだか」を書くスペースが足りなくなってしまいます。留学の概要は一文程度に圧縮し、残りのスペースはできる限り「経験の中身」に充てるのがおすすめです。

伝わる自己PRに変える3つのコツ

手帳にエピソードを書き出して整理している様子

状況→課題→行動→結果の「STAR法」で整理する

伝わる自己PRを組み立てる際によく使われるのが「STAR法」と呼ばれる整理の仕方です。Situation(状況)・Task(課題)・Action(行動)・Result(結果)の頭文字を取ったもので、次のような順番でエピソードを整理すると説得力が増すと言われています。

  1. Situation(状況): 留学先でどんな環境に置かれていたか
  2. Task(課題): そこでどんな課題・壁にぶつかったか
  3. Action(行動): その課題に対して、具体的に何をしたか
  4. Result(結果): 行動の結果、何が変わったか・何を学んだか

「楽しかった」で終わらせず、この4つの要素を順番に埋めていくだけでも、エピソードの解像度がぐっと上がります。

語学力そのものより「工夫・行動・成長のプロセス」を軸にする

自己PRでつい「英語がこれだけ話せるようになりました」という語学力の伸びをアピールしたくなりますが、語学力だけを前面に出すと、他の留学経験者との差別化がしづらくなります。それよりも、「語学力が足りない中で、どう工夫して課題を乗り越えたか」というプロセスの方が、採用担当者の印象に残りやすいと言われています。たとえば「授業についていけず苦労したが、わからないことをそのままにせず積極的に質問するようにした」というような、行動の変化を軸に語ると効果的です。

応募先の業種・職種に合わせて強みの見せ方を変える

同じ留学経験でも、応募先の業種・職種によって強調するポイントを変えることが大切です。営業職であれば「初対面の人にも自分から話しかけて関係を築いた経験」、企画職であれば「限られた予算・情報の中で工夫して解決策を考えた経験」というように、応募先が求める人物像に合わせてエピソードの切り口を調整すると、より刺さる自己PRになります。一つのエピソードから複数の要素を抜き出しておき、応募先ごとに強調する部分を変える、という準備をしておくとよいでしょう。

シドニー留学経験者のリアルな体験談|内定までの遠回りをどう言葉にしたか

ここからは、実際にシドニーへ留学した経験者の体験談をもとに、就活の書類・面接でどう言語化できるかを考えてみます。

エントリーシートが通らなかった時期を、どう「言語化」したか

ある留学経験者は、帰国後の就職活動でエントリーシートがなかなか通らず、インターンの選考にも落ち続けるという苦しい時期を経験したそうです。それでも試行錯誤を重ねた末に書類選考を突破し、最終的には希望していた企業から内定を得ることができました。本人は「留学経験を通して、周囲の意見に左右されず自分の軸を持てるようになったことが、納得のいく就職活動につながった」と振り返っています。

この体験を先ほどのSTAR法に当てはめて言語化するなら、たとえば次のような整理ができます。「留学中、周囲の意見や『こうすべき』という情報に振り回されがちだったこと(状況)」「自分にとって何が大事なのかを見失いかけたこと(課題)」「留学生活の中で、他人の評価よりも自分自身の判断を優先する場面を意識的に増やしたこと(行動)」「その結果、就職活動でも他人の意見に流されず、落ち続けても自分の軸をぶらさずに再挑戦し続けられた(結果)」。エントリーシートが通らなかった経験自体を隠すのではなく、「その苦しい時期にどう向き合ったか」を語ることが、かえって説得力のある自己PRになるという好例です。

「評価されなかった」経験も、正直に語ることが強みになる

別の留学経験者は、20代半ばでの留学経験が転職活動の多くの選考ではあまり評価されなかったものの、応募した中小・零細のメーカーでは面白がってもらえたことがきっかけで採用につながったといいます。この体験が示しているのは、「同じ留学経験でも、伝え方や相手によって評価は大きく変わる」という現実です。書類・面接の場では、留学経験を万人受けする形に薄めて語るよりも、自分がその経験の中で本当に大事にしていたことを、飾らずに具体的に語る方が、結果的に「相性の良い企業」との出会いにつながりやすいのかもしれません。

また、留学経験者の中には「留学経験が評価される人は多い」と語る人もいれば、「英語を活用する仕事に就いている知人はほとんどいない」と振り返る人もいます。この両方の声が教えてくれるのは、「留学経験があるというだけで安泰になるわけではない」という誠実な事実です。だからこそ、自己PRでは「留学した」という事実そのものより、「そこで何を経験し、どう考え、どう行動したか」を具体的に語れることが、評価につながる一番の近道だといえそうです。

面接でよく聞かれる質問と答え方のポイント

面接官と向かい合って話している応募者の様子

「なぜ留学しようと思ったのですか」

留学のきっかけを聞くこの質問では、単に「英語を話せるようになりたかったから」「海外に憧れがあったから」で終わらせず、「なぜオーストラリア(シドニー)を選んだのか」「その時期に留学することにどんな意味があったのか」まで踏み込んで答えると、考えの深さが伝わりやすくなります。留学先の決め方や比較検討のプロセスも、簡潔に触れておくとよいでしょう。

「留学中に一番苦労したことは何ですか」

苦労話は、自己PRの核になりやすい質問です。ここでも「大変でした」で終わらせず、STAR法に沿って「どんな状況で、どんな課題に直面し、どう行動し、結果どうなったか」を簡潔に話せるように準備しておきましょう。うまくいかなかった経験や、当時は解決しきれなかった課題を正直に話しても問題ありません。むしろ、「今振り返るとこう対処すればよかったと思う」という反省を添えられると、自己分析の深さが伝わります。

「英語力はどのくらい身につきましたか」

語学力を尋ねる質問には、TOEICやIELTS(海外の大学・専門学校への進学でよく使われる英語試験)のスコアなど、客観的な指標があれば具体的に答えるとよいでしょう。スコアがない場合や、点数だけでは測れない伸びを伝えたい場合は、「現地の会話で聞き取れなかった経験から、聞き返す習慣がついた」「教科書どおりの英語が通用せず、身振り手振りや状況判断でカバーする力がついた」など、具体的な行動の変化で語ると説得力が増します。数値と行動の両面から答えを用意しておくと、どんな聞かれ方をされても対応しやすくなります。

帰国後も英語力を伸ばし続けることが、評価につながる理由

面接では「留学中に英語力がどれだけ伸びたか」だけでなく、「帰国後も英語学習を続けているかどうか」を聞かれることがあります。これは、応募者の学習姿勢や継続力を測る質問でもあると考えられます。「留学中は頑張っていたが、帰国後は特に何もしていない」という状態よりも、「帰国後も日常的に英語に触れる習慣を続けている」と答えられる方が、留学経験の説得力が増すのは自然なことでしょう。

前述のとおり、留学経験者の中には「英語を活用する仕事にほとんどの知人が就いていない」と振り返る人もおり、使う機会が減ると語学力は少しずつ錆びついてしまう傾向があると言われています。だからこそ、就活・転職活動を控えている時期こそ、意識的に英語に触れ続ける環境を作っておくことをおすすめします。

独学の参考書やアプリだけでは、実際に「話す」機会そのものが減ってしまいがちです。オンライン英会話などを生活の一部として続けておけば、面接で「今も英語学習を継続しています」と自信を持って答えられるだけでなく、面接本番での英語での受け答えにも落ち着いて対応しやすくなります。

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留学前の英語準備の進め方についてはシドニー留学に必要な英語力は?準備とオンライン英会話活用法、帰国後の英語力キープの具体的な習慣についてはシドニー留学後に英語力をキープする方法|忘れないための習慣とオンライン英会話でも詳しく紹介しています。

まとめ

  • オーストラリア留学の経験が就活で評価されるかどうかは、業界・企業・時期によって差があり、「留学=就活に不利」と決めつける必要はないが、「留学=自動的に有利」とも言い切れない
  • 自己PRでは「楽しかった」で終わる感想文型、誰にでも言える抽象的な表現、留学概要の説明に文字数を使いすぎることがよくあるNGパターン
  • STAR法(状況→課題→行動→結果)で整理し、語学力そのものより「工夫・行動・成長のプロセス」を軸に、応募先に合わせて見せ方を変えることが伝わる自己PRのコツ
  • エントリーシートが通らなかった経験や、評価されなかった経験も、正直に言語化することでかえって説得力のある自己PRになる
  • 面接では「なぜ留学したか」「一番苦労したこと」「英語力の伸び」がよく聞かれる質問。帰国後も英語学習を続けていることを語れると、留学経験の説得力がさらに増す

留学経験は、そのままでは「思い出」にとどまってしまいます。書類や面接で「何を経験し、どう考え、どう行動したか」を具体的に言葉にできて初めて、就活で伝わる自己PRになります。この記事が、その言語化の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

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