「留学すれば自然と英語が話せるようになる」——そう思って渡航したのに、シドニーで数ヶ月過ごしてみると「思ったより英語が伸びていない気がする」と不安になる方は少なくありません。気づけば日本人の友達とばかり過ごしていたり、語学学校の授業だけで満足してしまっていたり。実はこの「留学中の伸び悩み」は、多くの留学経験者が一度は通る道でもあります。
この記事では、留学しても英語が伸びない人にありがちなパターンから、シドニーで実際に英語力を伸ばしている人がやっている7つの工夫、そして誰にでも訪れる「伸び悩み(プラトー)」を乗り越えるための考え方まで、体験談を交えて解説します。筆者はオーストラリア留学(サッカー留学を含む)のサポート事業を運営しており、シドニーでの留学・滞在経験もあります。渡航前の英語準備についてはシドニー留学に必要な英語力は?準備とオンライン英会話活用法、帰国後の英語力の維持についてはシドニー留学後に英語力をキープする方法で解説しているので、この記事は「渡航前」と「帰国後」の間、まさに現地滞在中の過ごし方に焦点を当てています。
なぜ「留学しても英語が伸びない」人がいるのか
「留学 英語 伸びない」という悩みは、実は検索する人が多い定番のテーマです。留学エージェントのブログなどでもたびたび取り上げられており、それだけ多くの人が同じ壁にぶつかっている証拠でもあります。まずは、伸び悩みが起きやすい3つのパターンを見てみましょう。
日本人コミュニティに閉じこもってしまう
シドニーには日本人留学生・ワーキングホリデーの方も多く、日本人同士のコミュニティが自然とできあがっています。これ自体は決して悪いことではありません。ホームシックになりかけたときに日本語で相談できる相手がいることは、精神的な支えとして大きな価値があります。実際、日本人コミュニティのおかげで気持ちが安定し、結果的に他の場面で英語学習に前向きになれたという声もあります。
ただし、「気づけば1日のほとんどを日本語で過ごしている」という状態が続くと、せっかく英語を使える環境にいるのに、その機会を自分から手放してしまうことになります。大切なのは、日本人コミュニティを「完全に断つ」ことではなく、意識的に英語を使う時間とのバランスを取ることです。
語学学校の授業だけで満足してしまう
語学学校に通っていると、「毎日英語の授業を受けているから、それだけで英語力は伸びるはず」と思ってしまいがちです。もちろん授業は基礎を整える上で欠かせませんが、決められたカリキュラムをこなすだけの「受け身の学習」に留まっていると、実際の会話で使える力にはなかなか結びつきにくいと言われています。授業で学んだ表現を、放課後や週末に実際に使ってみる機会をどれだけ作れるかが、伸びる人と伸び悩む人の分かれ目になりやすいようです。
完璧に話そうとして、かえって口数が減ってしまう
真面目な人ほど陥りやすいのが、「文法を間違えたら恥ずかしい」「発音が悪いと笑われるかもしれない」と考えすぎて、話しかけるタイミングを逃してしまうパターンです。留学サポートの現場でも、「言いたいことはあるのに、頭の中で文章を組み立てているうちに会話が先に進んでしまう」という相談をよく耳にします。完璧な英語を話そうとする姿勢は真面目さの表れですが、会話は「間違えながら覚えていくもの」という前提に立てるかどうかで、実践できる場数が大きく変わってきます。
シドニー留学中に英語力を伸ばす人がやっている工夫
ここからは、実際にシドニーで英語力を伸ばした留学経験者の体験も交えながら、現地でできる具体的な工夫を紹介します。
語学学校以外に「英語を使う場」を自分から作る
英語力を伸ばす人に共通しているのは、語学学校の授業時間以外にも、自分から英語を使う場を探しに行っている点です。ある留学経験者は、単語は「出会い」だと考え、教科書で丸暗記するよりも、実際にどんどん会話をする中で新しい単語に出会っていくのがよいという考え方をしていたそうです。分からない単語が出てきたら、その場で聞き返して意味を確認する。その積み重ねが、机の上の勉強だけでは得られない「生きた語彙」につながっていきます。
また、別の留学経験者は、日本語で文章を組み立ててから英語に訳すのではなく、ネイティブが実際に使う表現をそのまま覚えて使うようにしたところ、格段にコミュニケーションが取りやすくなったと話しています。日本語からの直訳は文法的には正しくても、不自然に聞こえたり、相手にすんなり伝わらなかったりすることがあります。耳で聞いた表現をそのまま真似て使ってみる、という姿勢は、教室では身につきにくい実践的な力を育ててくれます。

アルバイト・シェアハウスを実践の場にする
現地でのアルバイトは、語学学校では得られない「実践的な英語力」を鍛える貴重な場になります。ある留学経験者は、現地でRSA(Responsible Service of Alcohol、お酒を提供する際に必要となる資格。アルコールの安全な提供や飲みすぎへの対応などを学ぶ講習を受けて取得します)を取得し、レストランのホールスタッフとして働きました。ネイティブのお客さんとの実際のやり取りを重ねる中で実践的な英語力が伸び、常連客と仲良くなってチップをもらうこともあったそうです。学生ビザやワーキングホリデービザの範囲内でできるアルバイトが、そのまま英語力アップの機会にもなった好例と言えます。アルバイトの探し方やビザ別の労働条件については、シドニー留学中のアルバイト完全ガイド|ビザ別条件と時給相場で詳しく解説しています。
シェアハウスでの共同生活も、日常会話を練習する絶好の場です。誰と暮らすかは運の要素もありますが、自分から積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢があれば、住まいそのものが「英語のトレーニング環境」に変わります。

現地でできた友人・多国籍のコミュニティを大切にする
シドニーの語学学校やシェアハウスでは、日本人だけでなく、さまざまな国出身の人たちと出会う機会が多くあります。ある留学経験者は、いろいろな国の同居人と暮らす中で、英語のアクセントの多様さに最初は戸惑ったと言います。ネイティブスピーカーの発音だけでなく、母国語の影響を受けたさまざまな「英語」に触れることになるため、最初は聞き取りに苦労することもあるでしょう。それでも、誰と住むかは運の要素があるとしても、自分からコミュニケーションを取ろうとする姿勢が結局は大事だと感じたそうです。
多国籍の友人ができると、英語はもはや「勉強する対象」ではなく「共通の意思疎通の手段」になります。この感覚をどれだけ早く持てるかが、伸び悩みを防ぐ大きなポイントです。ホームステイやシェアハウスでの生活について詳しくは、シドニー留学のホームステイ体験談もあわせてご覧ください。
聞き取れなかったときに、その場で聞き返す習慣
リスニングに苦手意識を持つ人は多く、実際に「リスニングが不得意で、慣れるまでに時間がかかった」という留学経験者の声もあります。ここで大事なのは、聞き取れなかったことを恥ずかしがって流してしまわないことです。分からないまま会話を進めてしまうと、後で余計に理解が追いつかなくなります。”Sorry, could you say that again?”(すみません、もう一度言っていただけますか)のような聞き返しのフレーズを自分の中で何パターンか用意しておき、遠慮せずその場で聞き返す習慣をつけることが、結果的にリスニング力の伸びを早めてくれます。
「伸び悩み(プラトー)」を感じたときの乗り越え方
英語学習には、ある程度まで順調に伸びた後、成長を実感しにくくなる時期(いわゆる「プラトー」)が訪れることがあると言われています。個人差が大きく、必ずしも全員に同じタイミングで訪れるわけではありませんが、「留学3〜4ヶ月目あたりで伸び悩みを感じやすい」という声は、留学経験者の間でもしばしば聞かれます。ここでは、実際にプラトーを乗り越えた体験を紹介します。
上級クラスで周りと比べて落ち込んだときの考え方
ある留学経験者は、語学学校の上級クラスに入ったところ、周りが自分より英語が上手な人ばかりで、一時的に「自分の無能さ」を感じて落ち込んでしまったそうです。日常のちょっとした会話も聞き取れず苦労した時期もありました。それでも、「他人と比べず、自分らしく頑張る」ことに気づいてからは、分からないことがあれば積極的にクラスメイトに質問するようにしたといいます。知らない人に自分から話しかける勇気を持てたことで、多くのつながりと学びを得られたそうです。
周りのレベルの高さに落ち込んでしまうのは、それだけ自分が成長できる環境に身を置けている証拠でもあります。比較の対象を「他人」ではなく「過去の自分」に切り替えるだけで、気持ちが軽くなることは少なくありません。
通用しなかった教科書英語をどう修正していくか
別の留学経験者は、学校で習った英語が実際の会話では全く通用しないことに気づいた経験を語っています。特に、現場での指示やとっさのやり取りは、最初はほとんど理解できなかったそうです。それでも、身振り手振りや周囲の様子を見て状況を判断することで、その場をカバーしていきました。この経験から得た気づきは、「完璧な文法より、伝えようとする姿勢の方が大事」ということでした。
教科書で学ぶ英語と、実際に生活の中で交わされる英語には、どうしてもギャップがあります。そのギャップに気づいたときこそ、教科書英語を「現地で通用する英語」へアップデートしていくチャンスです。落ち込むのではなく、「新しい発見があった」と捉え直すことで、伸び悩みの時期を前向きに乗り越えやすくなります。ホームシックや孤独を感じやすい時期の心理的なケアについては、シドニー留学のホームシック対策|孤独を乗り越えた体験談でも詳しく取り上げています。

現地生活だけでは埋まりにくい部分をどう補うか
現地での生活経験は英語力を伸ばす上で欠かせませんが、それだけですべてが解決するわけではありません。現地生活だけでは埋まりにくい部分を、意識的に補っていく視点も大切です。
文法・語彙を体系的に整理する時間も必要
日常会話に慣れてくると、なんとなく英語が「通じる」ようになってきます。ただし、その状態のままだと、文法の抜け漏れや語彙の偏りに気づかないまま過ごしてしまうこともあります。週末など時間のあるときに、文法書を使って基礎を整理し直したり、覚えた単語をノートにまとめ直したりする時間を意識的に作ることで、「なんとなく通じる英語」から「正確に伝わる英語」へと精度を上げていくことができます。渡航前の英語準備の段階でどんな教材を使うとよいかについては、シドニー留学に必要な英語力は?準備とオンライン英会話活用法でも紹介しているので、現地での復習にも役立ててみてください。
隙間時間にオンライン英会話で「話す機会」を意図的に増やす
現地生活だけに任せていると、「話す機会」は日によってムラが出やすいのも事実です。語学学校が休みの日や、アルバイトのシフトがない日は、意識しないと1日ほとんど英語を話さずに終わってしまうこともあります。そこでおすすめなのが、オンライン英会話を使って、意図的に「話す機会」を確保することです。決まった時間にレッスンの予定を入れておけば、忙しい日々の中でも「話す練習」が途切れることを防げます。
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シドニーで英語を伸ばす人の1日の過ごし方(モデルケース)
ここまで紹介してきた工夫を組み合わせると、たとえば次のような1日の過ごし方が考えられます。あくまで一例ですが、参考にしてみてください。
- 午前:語学学校で授業。分からない表現はその場で聞き返し、ノートにメモする
- 昼休み:食堂やカフェで、クラスメイト(できれば日本人以外)と一緒にランチをとりながら雑談する
- 午後(授業後):アルバイトのシフトがある日はそのまま出勤。お客さんや同僚との会話を「実践の場」として意識する
- 夕方〜夜:シェアハウスの共用スペースで同居人と会話する時間を作る。週2〜3回程度、オンライン英会話のレッスンを予約しておく
- 週末:多国籍の友人と出かけたり、地域のイベントやスポーツに参加したりして、授業以外の場で英語を使う機会を増やす。ときには日本人の友人とゆっくり過ごし、気持ちをリセットする日も作る
すべてを毎日完璧にこなす必要はありません。大切なのは、「英語を使う場」を1日の中に複数持っておくことと、たまには息抜きの時間もきちんと確保することのバランスです。
まとめ|留学中の過ごし方が、帰国後の英語力を左右する
- 「留学しても英語が伸びない」原因の多くは、日本人コミュニティへの偏り、受け身の授業への依存、完璧主義による口数の減少にある
- 英語力を伸ばす人は、語学学校以外にも自分から英語を使う場を作り、アルバイトやシェアハウスを実践の場として活用している
- 伸び悩み(プラトー)は多くの人が経験するもの。他人と比べず、教科書英語とのギャップを前向きに捉え直すことが乗り越える鍵になる
- 現地生活だけでは埋まりにくい「文法・語彙の整理」や「話す機会の確保」は、オンライン英会話などを使って意図的に補うとよい
- 留学中にどう過ごすかは、そのまま帰国後の英語力にも影響します。帰国後の維持方法はシドニー留学後に英語力をキープする方法で解説しているので、あわせてチェックしてみてください
留学中の英語力の伸び方には個人差があります。焦らず、今日紹介した工夫を少しずつ生活に取り入れながら、シドニーでの毎日を「英語を使う機会」に変えていきましょう。
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